当事務所は建設業者の外部支援事務所として取り組みを行っている社会保険労務士と行政書士の事務所です。代表の成岡寛人と申します。
事務所所在地は静岡県静岡市駿河区です。
主に建設業者が必要とする各種手続き業務を承り、また、労働関係法令をふまえた労務相談等でご活用いただいています。具体的には、建設業許可、更新、決算変更届、経営事項審査、入札、労災特別加入、社会保険、労働保険、雇用保険、その他、建設業許可業者が必要とする各種手続きと、それに付随するアドバイス業務を行っています。
建設業関係手続きの専門家として、建設業者が事業を継続する上で必要な手続きを代行いたします。

代表の成岡寛人です。よろしくお願いします。
当事務所では建設業支援に注力しています。


当事務所はこのように建設業支援事務所として取り組んでいる建設業許可関連の専門家です。
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静岡の建設業許可申請における残高証明500万円の解説
建設業許可申請における残高証明500万円の概要|静岡の建設業許可
建設業許可取得のためには、5つの要件をクリアしなければなりませんが、建設業許可における残高証明書は、このうちの財産的基礎があることと関係しています。
財産的基礎とは、建設業許可申請を行う際の一時点においては、500万円以上の財産があったことを確認するものであり、確認する方法にはいくつかがあります。この、いくつかある内の一つとして、残高証明という確認方法があり、それがどのようなものなのかの解説をすることが本記事の目的となります。
残高証明書が必要になるケースと、建設業許可申請時の注意点を解説します。
このような方に向けた記事です
- 建設業許可要件の財産的基礎とは何かを知りたい方
- 一般建設業の財産的基礎の要件を知りたい方
- 500万円の残高証明書が必要になるケースを知りたい方
- 500万円の残高証明書を用意する際の注意点を知りたい方 等
建設業許可要件の財産的基礎とは?
建設業の仕事をするには、建設用機械器具をそろえて、職人も用意しなければなりません。そして、依頼を受けたら、建設工事に必要な資材は建設業者が自前の資金で調達します。
さらに、請負契約は仕事を完成させなければ報酬を請求できないことになっています。
従って原則としては、工事を請けてから完成させ、入金に至るまでの間に生じた費用を支払えるだけの資金の保有が必要となります。
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
民法第632条 (請負)
こうしたことにより、建設業を経営するためには、かなりの財産的基礎が求められるわけです。
建設業許可要件の財産的基礎は、一般建設業と特定建設業で異なります。
一般建設業では、次のいずれかに該当する必要があります。
- 自己資本の額が500万円以上である
- 500万円以上の資金調達能力がある
- 建設業許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有する
特定建設業では、次のすべてを満たすことが求められます。
- 欠損の額が資本金の20%を超えないこと
- 流動比率が75%以上であること
- 資本金の額が2,000万円以上あること
- 自己資本の額が4,000万円以上あること
建設業許可における残高証明書は一般建設業の場合に関係するため、本記事では以下、一般建設業の財産的基礎の要件を詳しく説明します。
一般建設業の財産的基礎の要件とは?
一般建設業における財産的基礎の要件について一つ一つ解説します。
自己資本の額が500万円以上である
自己資本の意味は株式会社などの法人と、一人親方などの個人事業主とで異なります。
- 法人の場合は、貸借対照表における純資産合計の額。
- 個人の場合は、期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金及び準備金の額を加えた額。
株式会社などの法人の場合は、会社設立時に資本金の額を500万円以上に設定することで、この要件を満たすことが可能になります。
なお、資本金=貸借対照表における純資産合計の額ではないので注意しましょう。
会社設立後、様々な負債が増えると、純資産額が減ってしまいます。
そのため、会社設立後、早い段階で建設業許可を取得しておくことがポイントです。
500万円以上の資金調達能力がある
申請者自身が銀行などから500万円以上借りられたり、引き出しが可能であるという意味です。
法人の場合は、法人名義の銀行口座を開設していることが前提になります。
- 500万円以上借りることができる場合は、金融機関の融資証明書。
- 500万円以上の預金残高がある場合は、金融機関の残高証明書。
それぞれこれらの書類により証明します。
建設業許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有する
建設業許可を受けた後で5年間、経営を維持すれば、この要件を満たします。
そのため、建設業許可更新時には、自己資本の額が500万円以上であることや500万円以上の資金調達能力があることを証明しなくてよいということです。
建設業許可で残高証明書が必要になるケースとは?
一般的には、貸借対照表などで自己資本の額が500万円以上であることを証明できれば、残高証明書が必要になることはありません。
建設業許可で残高証明書が必要になるのは次のケースです。
- 個人事業主が個人名義で建設業許可を取得する場合
- 資本金の額が500万円未満の法人が建設業許可を取得する場合
- 純資産合計の額500万円未満の法人が建設業許可を取得する場合
それぞれ確認しましょう。
個人事業主が個人名義で建設業許可を取得する場合
個人事業主の場合は、建設業許可申請時直前の所得税の確定申告において65万円の青色申告特別控除の適用を受けている場合のみ、自己資本の額が500万円以上あるかどうかの判定対象になります。
それ以外の場合は、500万円以上の資金調達能力があることを証明しなければなりませんが、金融機関の残高証明書が用いられるケースが多いです。
資本金の額が500万円未満の法人が建設業許可を取得する場合
会社設立と同時に建設業許可申請を行う場合は、資本金の額を500万円以上としておくことで、開始貸借対照表により、自己資本の額が500万円以上であることを証明することが可能です。
ただ、資本金の額を500万円未満とした場合は、別途、500万円以上の資金調達能力があることを証明しなければなりません。
具体的には、会社名義で法人用口座を開設し、その銀行口座に500万円以上の資金を預け入れた上で、資金調達能力を証明するのが一般的です。
純資産合計の額500万円未満の法人が建設業許可を取得する場合
資本金の額が500万円以上でも、負債があることによって、純資産合計の額が500万円未満となってしまうこともあります。
この場合は、別途、500万円以上の資金調達能力があることを証明しなければなりません。
既存の会社が建設業許可取得を目指す場合は、こうしたケースもあります。
建設業許可における残高証明書には有効期限がある?
建設業許可申請で残高証明書を添付する際は、申請前1か月以内に作成されたものであることが求められます。
静岡県の場合は、残高日から受付日まで1か月以内を証明有効期間としています。なお、初日は算入されません。
残高証明書の証明有効期間を意識したうえで、建設業許可申請を迅速に進める事が大切です。
残高証明書取得後に口座残高が500万円未満になった場合は?
残高証明書取得後に金融機関の口座から預金を引き出したために、申請時点の残高が500万円未満になっていたとしても、基本的に問題ありません。
建設業許可の審査では、残高証明書取得時を基準に判断するからです。
まとめ
建設業許可において、残高証明書は、500万円以上の資金調達能力があることを証明するために用います。
資本金の額が500万円未満の法人などでは必要になります。
残高証明書には有効期限があり、静岡県の場合は、残高日から受付日まで1か月以内を証明有効期間としています。
有効期限が切れる前に、迅速に建設業許可申請を行いましょう。
当事務所は、静岡県の行政書士と社会保険労務士の事務所であり、建設業者の建設業許可取得をサポートする専門家です。
建設業許可申請は、様々な書類の有効期限も考慮して迅速に行うように心がけています。
静岡県内の建設業者様で、建設業許可取得に関してお悩みのことがあれば、どのようなことでもご相談ください。