建設国保は、建設業に従事する方(例:一人親方、事業主、従業員など)が加入できる場合がある国民健康保険組合(国保組合)の一つです。加入条件は組合ごとに異なります。
また、一定の要件を満たし日本年金機構の「健康保険適用除外」の承認を受けた場合には、法人化後も国保組合に加入し続けられるケースがあります(可否は加入先の国保組合の取扱いにもよります)。
本記事では、建設国保とは何か、市区町村の国民健康保険や協会けんぽと何が違うのかを、ポイントを絞って解説します。
※各建設国保組合や市町村国保、協会けんぽにより扱いは変わりますので、詳しくは各窓口へご確認ください。
このような方に向けた記事です
- 国保組合(国民健康保険組合)とは何か知りたい方
- 建設国保とは何かを知りたい方
- 建設国保と市区町村の国民健康保険の違いを知りたい方
- 建設国保と市区町村の国民健康保険や協会けんぽは、どちらが有利か知りたい方 等

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国保組合(国民健康保険組合)とは?
日本では、すべての国民が何らかの健康保険(医療保険)に入ることになっています。
健康保険は大きく分けると国民健康保険と健康保険(被用者保険)に分かれます。
国民健康保険は、主に自営業者やフリーランス、退職後の方などが加入する医療保険です(75歳以上は後期高齢者医療制度が基本です)。
健康保険(被用者保険)は、74歳以下で企業などで働いている方が加入します。一般的な会社員が対象になります。
建設業でも、株式会社、合同会社、有限会社といった法人で働いている場合は、健康保険(被用者保険)に加入します。
では、個人事業者はどの保険に入るべきなのでしょうか?
建設業の場合は、一人親方等、個人で仕事を請け負っている方がたくさんおられますが、こうした方たちは法人ではありません。
結論から言うと、個人事業主の場合は、原則として国民健康保険に加入することになります。
ただ、一定の職業に就いている方ならば、その業種や職種に特化した国保組合(国民健康保険組合)に加入することも可能です。
国保組合は、国民健康保険法に基づいて設立されているので、国民健康保険と基本的に同じです。
ただ、国民健康保険と保険料が違っていたり、それぞれの国保組合独自の制度や事業が用意されています。
建設業の国保組合(建設国保)とは?
建設業の国保組合には、様々な組合があります。
代表的なのは次のような組合です。
- 建設国保(全国建設工事業国民健康保険組合)
- 土木国保(全国土木建築国民健康保険組合)
それぞれの組合には都道府県の支部があるので、国保組合に入るためには、各都道府県の支部に問い合わせましょう。
静岡県の建設業者が建設国保に加入するには?
静岡県の建設業者が建設国保に加入するにはそれぞれの国保組合の静岡県支部などに問い合わせましょう。
下記の国保組合について、問い合わせ先をまとめておきます。
| 国保組合名称 | 静岡県の問い合せ窓口 |
| 建設国保 (全国建設工事業国民健康保険組合) | 全国建設工事業国民健康保険組合 静岡県支部 https://www.kensetsukokuho-shizuoka.com/ |
| 土木国保 (全国土木建築国民健康保険組合) | 全国土木建築国民健康保険組合 https://dokenpo.or.jp/ |
国民健康保険と建設国保はどちらが有利なのか?
建設業の個人事業主や一人親方の方は、市区町村の国民健康保険と建設国保のどちらに加入しても構いません。
では、市区町村の国民健康保険と建設国保はどちらの方が有利なのでしょうか?
特に、月々の保険料がどちらの方が安いかという点が気になると思います。
まず、市区町村の国民健康保険は、前年の所得に応じて月々の保険料を算出しています。
そのため、前年度の所得が多かった場合は、月々の保険料の額が高くなります。
一方、建設国保は、年齢と家族の人数により、月々の保険料が固定されています。
一般的には年齢が高いほど月々の保険料の額が上がります。また、家族が多いほど、トータルで払う月々の保険料が高くなります。
そのため、月々の保険料の額については、次のように考えることができます。
- 所得が少ない方や年齢が高い方は、市区町村の国民健康保険の方が安い可能性があります。
- 所得が多い方や年齢が若い方は、建設国保の方が安い可能性があります。
いずれにしても正確に判断するには、保険料をシミュレーションしてみるしかありません。
どちらが月々の保険料が安いかは、前年所得や年齢・世帯構成などで変わります。静岡市の国民健康保険は、市の「国民健康保険料の試算(自動計算)」で目安を確認できます。
静岡市 国民健康保険料の試算(自動計算)
https://www.city.shizuoka.lg.jp/s8435/s000655.html
静岡市 国保の窓口(各区役所:保険年金課)
・葵区役所 保険年金課:054-221-1070
https://www.city.shizuoka.lg.jp/s6345/s005414.html
・駿河区役所 保険年金課:054-287-8621https://www.city.shizuoka.lg.jp/s2396/s004405.html
・清水区役所 保険年金課:054-354-2141
あわせて、加入を検討している国保組合(建設国保等)の窓口にも保険料や加入条件を確認すると、比較がスムーズです。
協会けんぽとの比較は、協会けんぽ静岡支部への問い合わせも参考になります。
協会けんぽ(全国健康保険協会)静岡支部
代表電話:054-275-6601
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/shizuoka/about/location/index.html
国民健康保険と建設国保の保険給付の内容の違い
国民健康保険と建設国保の保険給付の内容は基本的に同じです。
ただ、国民健康保険よりも有利な面もあります。
例えば、建設国保なら、組合員が入院して仕事を休んだときは、入院1日につき4,500円の入院給付金が支払われることがあります。また、静岡市の国民健康保険では、加入者が亡くなった場合、葬祭を行った方に申請により葬祭費5万円が支給されますが、建設国保なら、組合員が亡くなった際の葬祭費が10万円になることがあります。
そのほか、保健事業(健康づくり)として、保養施設利用補助、家庭用常備薬の特別価格購入、出産記念品といった独自のサービスも行っていたりもします。
こうした点も加味しながら、国民健康保険と建設国保のどちらが有利か検討するとよいでしょう。
建設国保の健康保険適用除外制度
株式会社、合同会社といった法人を設立した場合は、原則として協会けんぽ(全国健康保険協会)や組合健保(組合管掌健康保険)などの健康保険(被用者保険)へ加入しなければなりません。
個人事業の従業員が5人以上となった場合も原則は同様です。
※業種・常用・適用事業所要件などにより判定は異なります。
ただ、個人事業を営んでいる時点で建設国保に加入している場合は、法人化した後でも引き続き、建設国保に加入することができる場合があります。
この場合の例としては、法人成りなどの事実発生日から14日以内に日本年金機構で「健康保険適用除外承認申請」の手続きを求められる事があります。
健康保険適用除外を受けた場合は、その法人が新たに従業員を雇った場合でも、従業員を建設国保に加入させることができる場合もあります。
従業員の加入可否は、適用除外の承認内容や加入先の国保組合の要件によって異なりますので、個別に確認が必要です。
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建設国保と協会けんぽのどちらの方が有利か?
法人成りの際は、健康保険について、建設国保と協会けんぽのどちらに加入するのが良いのか悩まれるでしょう。
一般論としては次のようになります。
まず、会社としては建設国保の方が有利と言えます。なぜなら、建設国保は従業員それぞれが自分で加入して保険料を支払う形になり、会社に保険料の負担が生じないからです。
一方、従業員にとっては協会けんぽの方が有利と言えます。協会けんぽの場合、保険料の半分は会社が負担する形になり、従業員の負担額が少なくなるからです。
最近では、建設業は人手不足が深刻です。
従業員の雇用維持や採用を重視したい場合は、協会けんぽに加入した方がよいでしょう。
建設国保だと敬遠されて、採用で不利になる可能性もありえます。
まとめ
建設業の国保組合(国民健康保険組合)である建設国保について解説しました。
一人親方の方や小さな会社の方は、建設国保に加入することが選択肢の一つになるでしょう。
法人化した場合でも、建設国保を継続することも可能です。
一方、従業員を増やして会社を大きくしたいと考えている場合は、健康保険(被用者保険)への加入も検討してください。
当事務所は、静岡県の行政書士と社会保険労務士の事務所であり、建設業者の建設業許可取得や社会保険の加入手続きなどをサポートする専門家です。
静岡県内の建設業者様で、健康保険の加入などでお悩みのことがあれば、どのようなことでもご相談ください。
本記事に記載の給付内容や金額等は変わることは十分にありますので、詳しくは各窓口へ直接ご確認ください。








