建設業許可には、様々な区分があります。一般建設業と特定建設業の区分もその一つです。
建設業者が発注者から直接請け負っており(元請業者)、下請けに出す工事の合計金額が5000万円(建築工事業の場合は8000万円)以上となる場合は、特定建設業の許可が必要になります。
それ以外の場合は、一般建設業の許可で足ります。
よく誤解されやすい建設業許可の区分について詳しく解説します。
このような方に向けた記事です
- 建設業許可の区分を知りたい方
- 一般建設業と特定建設業の違いを知りたい方
- 特定建設業が必要になるケースを知りたい方
- 特定建設業のよくある誤解について知りたい方 等
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建設業許可の区分
建設業許可には、様々な区分があります。簡潔に紹介すると次のとおりです。
- 大臣許可と知事許可の区分
- 一般建設業と特定建設業の区分
- 業種の区分
まず、大臣許可と知事許可の区分と業種の区分について解説します。
大臣許可と知事許可の区分
国土交通大臣から建設業許可を得るか、静岡県知事等の都道府県知事から建設業許可を得るかの区分です。
この区分は、建設業者の営業所がどこに置かれているのかによります。
営業所が複数の都道府県に置かれている場合は、一つの都道府県知事がすべての営業所に対する監督を行うことができません。例えば、静岡県知事が隣の愛知県にある営業所を監督することは行政事務上不適当です。
このような場合は、国土交通大臣がすべての都道府県の営業所に対して一括して監督を行うこととしているわけです。
つまり、営業所が複数の都道府県に置かれている場合は、国土交通大臣許可になるわけです。
一方、営業所が一つの都道府県のみにある場合は、都道府県知事許可になります。
| 区分 | 許可権者 | 営業所の置かれ方 | ポイント |
| 大臣許可 | 国土交通大臣 | 営業所が 複数の都道府県 にある | 国がまとめて監督 |
| 知事許可 | 都道府県知事 (例:静岡県知事) | 営業所が 1つの都道府県内のみにある (例:静岡県内のみ) | 該当の都道府県が監督 (例:静岡県知事が監督) |
尚、建設業者(建設業許可を受けた業者)は全国に479,383社ありますが、内訳は、大臣許可業者は10,459社(約2%)、都道府県知事許可業者は468,924社(約98%)です。
※「国土交通省 建設業許可業者の推移 令和6年時点」より

業種の区分
建設業は業種により、工事内容も工事に必要な資格も大きく異なります。
例えば、電気工事業は、電気工事士の資格がないとそもそも仕事ができません。電気工事士の資格がない内装業者が電気工事を行うことはありえないわけです。
そこで、
- 2つの一式工事(土木一式工事と建築一式工事)
- 27の専門工事(大工工事、電気工事、内装仕上工事等)
合計29業種に分類し、業種ごとに必要な要件を満たしている場合に建設業許可が出されることになっています。

一般建設業と特定建設業の区分とは
一般建設業と特定建設業の区分は、下請けに多額の工事を発注するかどうかによる区分です。
元請けの建設業者が工事の途中で倒産といった事態になると、下請けの建設業者にも損害が及んでしまいます。
こうした事態を避けるために、下請けに多額の工事を発注する建設業者を「特定建設業」として許可要件を厳しくしているわけです。
具体的には、
- 発注者から直接請け負っている(元請業者)
- 下請けに出す工事の合計金額が5000万円(建築工事業の場合は8000万円)以上
この二つの要件に該当する場合は、特定建設業の許可が必要になります。
それ以外の建設業者はどれほど多額の建設工事を請け負ったとしても、一般建設業の許可で足ります。
| 区分 | 判断の軸 | 特定が必要になる主な要件 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 特定建設業 | 下請に多額の工事を発注するか | ① 発注者から直接請け負っている(元請) ② 下請に出す工事の合計金額が 5,000万円以上(建築一式は 8,000万円以上) | ・元請による損害防止 ・下請保護 |
| 一般建設業 | 上記に該当しない | 特定建設業の要件(①+②)に該当しない | ・特定以外 ・請負金額要件なし |
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特定建設業の「下請けに出す工事の合計金額」の注意点
繰り返しになりますが、
元請業者の立場で、下請けに出す工事の合計金額が5000万円(建築工事業の場合は8000万円)以上の場合に、特定建設業の許可が必要になります。
下請けに出す工事の合計金額は、自社が一次下請けの建設業者に出す下請け工事すべての合計額を意味します。1社あたりの金額ではないので注意しましょう。
例えば、ビルの建設工事を請け負った建築一式工事(建築工事業)の建設業者が、
A社(3000万円)
B社(3000万円)
C社(3000万円)
それぞれこのように一次下請けの建設業者に発注する場合は、
A社(3000万円)+B社(3000万円)+C社(3000万円)=9000万円となるので、特定建設業の許可が必要になります。
特定建設業のよくある誤解
特定建設業は、ゼネコンなどの元請け業者に必要な建設業許可で、大多数の建設業者は「一般建設業」の許可で足ります。一般建設業で足りるのに特定建設業の許可が必要と誤解されているケースもあるため、ここで解説をまとめておきます。
5000万円以上の建設工事を請け負うには特定建設業の許可が必要か?
よくある誤解の一つです。
特定建設業の許可が必要かどうかは、「下請け」に出す工事の金額によって判定します。
そのため、自社で請け負う仕事の金額が5000万円以上であっても、一般建設業の許可で仕事することができます。
下請けでも5000万円以上の建設工事を孫請けに出すには特定建設業の許可が必要か?
これも誤解されやすい例の一つです。
特定建設業の許可が必要かどうかは、下請けに出す工事の金額で判定することは確かですが、その建設業者が「発注者から直接、建設工事を請け負っていること」が前提になります。
つまり、「元請業者」のみ、特定建設業の許可が必要になるわけです。
下請けとして仕事するのであれば、孫請けに出す建設工事の金額に関わらず、一般建設業の許可で足ります。
特定建設業の許可がないと公共事業の建設工事に入札できないのか?
これも誤解です。
公共事業の中には、大規模な橋の建設など大型プロジェクトもあります。こうした工事を元請けとして請け負った場合は、下請けに5000万円(建築工事業の場合は8000万円)の工事を発注することがあるでしょう。
しかし、すべての公共工事がこうした大型の工事とは限りません。
規模の小さな工事であれば、一般建設業の業者でも入札できますし、請け負うことも可能です。
まとめ
建設業許可には、一般建設業と特定建設業の区分があることを紹介しました。
この区分は、誤解されることが多い区分です。ほとんどの建設業者は一般建設業の許可で足ります。
ただ、実際に特定建設業の許可が必要なケースもありますから、判断が難しい時は、建設業許可に詳しい行政書士にご相談ください。
当事務所は、静岡県の行政書士と社会保険労務士の事務所であり、建設業者の建設業許可取得をサポートする専門家です。
静岡県内の建設業者様で、建設業許可に関してお悩みのことがあれば、どのようなことでもご相談ください。
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