建設キャリアアップシステム（CCUS）の技能者登録の流れとポイントを解説
建設キャリアアップシステム（CCUS）を利用するためには、自社の技能者にCCUSカードを取得させる必要があります。その手続きが、技能者登録です。
具体的な登録の流れやポイントを解説します。
このような方に向けた記事です
- 技能者登録とは何か知りたい方
- 技能者登録の流れを知りたい方
- CCUSの技能者登録料を知りたい方
- CCUSカードの色の意味とレベルを知りたい方 等
CCUSカードを入手するには？
建設キャリアアップシステム（CCUS）を導入する建設現場が増えています。
現場入場には、CCUSカードが必要と言われ、入手を急いでいる方も多いと思います。
CCUSカードを入手するには、建設キャリアアップシステム（CCUS）の公式サイトから技能者登録を行う必要があります。
建設会社に所属する技能者（職人）がCCUSカードを入手するには？
建設会社に所属する技能者（職人）の方が、CCUSカードを入手するには、前提として、建設会社が建設キャリアアップシステム（CCUS）の事業者登録を済ませている必要があります。
CCUSカードがなくて現場入場ができないといった困った事態が生じている場合は、まず、建設会社に対応を求めてください。
一人親方がCCUSカードを入手するには？
CCUSカードは、一人親方の方でも入手できます。一人親方でも、個人事業主として、事業者登録を済ませた後で、技能者登録を行う流れになります。
建設会社が所属する技能者（職人）がCCUSカードを発行するには？
建設会社が所属する技能者（職人）がCCUSカードを発行するには、まず、建設キャリアアップシステム（CCUS）の事業者登録を行わなければなりません。
これが済んだら、技能者登録に進み、CCUS運営者（一般財団法人建設業振興基金）にCCUSカードを発行してもらうことができます。
CCUS技能者登録の流れ
CCUS技能者登録の流れを簡潔に解説します。
CCUS技能者登録は、一般的には、技能者個人が行うよりも、所属する建設会社等が代行申請することが多いです。ここでは、インターネットによる代行申請のケースで解説します。
簡略型と詳細型のいずれかを選択する
CCUS技能者登録には、簡略型と詳細型の2種類があります。
CCUS技能者登録 簡略型
最低限の情報だけを入力して登録する方法で、必要書類や入力の手間が省けます。登録料金も2500円と安く抑えられます。ただし、発行されるCCUSカードは「白：レベル1」のものになります。
CCUS技能者登録 詳細型
簡略型で入力する情報の他、これまでの経歴や取得済みの資格などの情報も入力できるものです。登録料金は4900円になりますが、「技能者登録（新規）と能力評価申請手続きの同時申込」を行うことができ、現時点での職歴や技能に合わせたCCUSカードの発行を受けられます。
CCUSカードの種類
次の4種類があります。
- 白：レベル1 初級技能者（見習い）
- 青：レベル2 中堅技能者（一人前）
- 銀：レベル3 班長として現場に従事できる者
- 金：レベル4 高度なマネジメント能力を有する者（登録基幹技能者等）
建設業での経験が一定以上ある方なら、青：レベル2以上のカードが発行される可能性があるため、詳細型を選択するとよいでしょう。
事前準備を行う
CCUS技能者登録の事前準備を行います。
代行申請事業者と技能者の双方が準備する必要があります。
代行申請事業者の事前準備
代行申請事業者が行う事前準備は、代行申請同意書、個人情報取り扱い同意書、システム利用規約同意書をダウンロードして、技能者に渡すことです。
技能者に署名してもらい、回収し、代行申請事業者の方でも必要事項に記入し、印鑑を押します。
技能者の事前準備
技能者は、CCUS技能者登録に必要な書類を入手しましょう。具体的には次のような書類です。
| 本人確認書類（個人番号（マイナンバー）カードか運転免許証等） |
| 加入社会保険等証明書類 （健康保険）健康保険被保険者証 （年金保険）厚生年金等加入証明書 （年金保険）健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書 （雇用保険）雇用保険被保険者資格取得等確認通知書（被保険者通知用） （建退共）建設業退職金共済手帳 （中退共）中小企業退職金共済手帳 （特別労災）労働者災害補償保険特別加入申請書 （特別労災）労災保険特別加入 加入証 |
| 主任技術者になるために必要な学歴を証明する書類 卒業証明書（原本） 登録基幹技能者証明書類 保有資格証明書類 研修受講証明書類 |
代行申請事業者は、これらの書類を技能者から預かって、すべて電子化（JPG）します。
なお、この際、本人確認書類として、顔写真付証明書がない場合は、インターネット申請は使えず、認定登録機関へ書類を持ち込んでの登録申請になります。
必要事項に入力する
代行申請事業者がCCUSの技能者登録サイトで必要事項を入力して申請します。
技能者登録料を支払う
技能者登録料を支払います。
クレジットカード、コンビニエンスストア、郵便局など様々な支払い方法があります。クレジットカード以外では、支払った際の証明書を入手して撮影するのを忘れないでください。
支払いが完了すると、申請番号が表示されるので、メモを取っておきましょう。
申請後の修正（不備の修正）への対応
申請内容に不備がある場合は、修正等の対応を行います。その際、上記の申請番号が必要になります。
技能者ID通知が通知される
登録が完了すると技能者本人のメールアドレスと、所属事業者、代行申請事業者のメールアドレス宛てに、「技能者情報新規登録完了「技能者ID」のお知らせ」が届きます。
建設キャリアアップカード（CCUSカード）が郵送される
建設キャリアアップカード（CCUSカード）は、カード送付先住所に簡易書留で配達されます。
会社など、平日受け取りやすい場所に郵送してもらうとよいでしょう。
能力評価申請手続きの同時申込とは？
技能者にCCUSカードを新規に申請すると、原則として、白：レベル1のカードが交付されます。
交付を受けてから経験を積み、CCUSカードのレベルを上げていくことになっています。
しかし、これでは、CCUS制度開始前から働いてきた技能者も、白：レベル1、つまり、初級技能者（見習い）から再スタートする形になり、能力や経験が正当に評価されているとは言えない状態になります。
そこで、CCUSカードの新規申請と同時に能力評価に応じたカードを発行してもらえるようにするために、能力評価申請手続きの同時申込という制度が用意されています。
能力評価申請手続きの同時申込は次の場合のみできるので注意してください。
- 新規の技能者登録である。
- 事業者の代行申請である。
- 詳細型登録を選択している（登録料金は4900円）。
- 能力評価手数料を支払う（手数料は4000円又は各能力評価実施団体が定める額）。
所属事業者等による経歴証明書の提出が必要になるので、原則として、事業者の代行申請の場合のみ利用することができます。
なお、能力評価手数料については、2025年8月1日（金）から2026年3月31日（火）までの申請であれば、手数料が不要となっています。
レベル判定のポイントは？
技能者のレベル判定は、能力評価実施団体が行います。
レベル判定の基準については、能力評価実施団体ごとに異なっているため、それぞれの団体が定める基準や要件を確認しましょう。
就業日数の他、様々な資格を取得していることが要件となっています。
詳しくは、能力評価実施団体のサイトで確認してください。
参考
まとめ
建設キャリアアップシステム（CCUS）の技能者登録の流れとポイントを解説しました。
技能者登録では、自社のベテランの技能者に、高いレベルのCCUSカードを取得させることがポイントです。
経歴証明書など、必要書類を準備して、申請を行いましょう。
当事務所は、静岡県の行政書士と社会保険労務士の事務所であり、建設業者の建設業許可取得をサポートする専門家です。
静岡県内の建設業者様で、建設業許可やCCUSに関してお悩みのことがあれば、どのようなことでもご相談ください。
