静岡県の建設業許可業者必見 建設キャリアアップシステム(CCUS)の概要解説
最近では、公共事業の建設工事現場を中心に、現場入場のためには、建設キャリアアップカード(CCUSカード)が必要とされるようになっています。
そのため、元請会社などの指導により、建設キャリアアップカード(CCUSカード)を作ることを求められる方もおられるかと思います。
この記事では、建設キャリアアップシステム(CCUS)とは何なのかについて解説します。
このような方に向けた記事です
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)とは何か知りたい方
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)のメリットを知りたい方
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)は義務なのか知りたい方 等
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、建設技能者(職人)の給与・待遇の向上を目的とした制度です。CCUSは、Construction Career Up Systemの略称です。
元請や現場ごとに呼び名が違うことがありますが、これらの用語は全て同じ意味の言葉となります。
建設業キャリアアップシステム = CCUS = Construction Career Up System
建設業では、ベテランの職人でも新人の職人でも、給料や待遇に大きな差がない状況が続いており、建設業関係の様々な資格を取得しても、それに見合った待遇を得られないこともあります。
それは、資格を取得したり、経験値を積んでいっても、それらが見える形になっていないため、違いが見えにくく評価がしにくい状況にあるためです。
こうした状況を改善するために、次のようなことを行うのが、建設キャリアアップシステム(CCUS)の目的です。
建設キャリアアップシステムは職人の能力状況を見え易くする仕組みです。
- 建設技能者が保有するスキル(経験や資格)を可視化する
- 建設技能者のスキルに応じた技能レベルを付与する
- 技能レベルに応じた賃金指標を示し、待遇改善を促す
建設キャリアアップ(CCUS)カードは作った方がいいのか?
建設キャリアアップ(CCUS)カードを作るべきか迷っている方もおられるかもしれません。
結論から言うと、CCUSカードは早めに作っておいた方がよいです。
実際に、公共事業の建設工事現場を中心に、現場入場の際にCCUSカードが必要なケースが増えていますし、建設技能者(職人)と事業者(建設業者)の双方にとってメリットがあるからです。
建設技能者(職人)のメリット
建設技能者がCCUSカードを作るメリットは次のとおりです。
- CCUSカードに実務経験が蓄積される
- 転職する際に職務経歴書の代わりになる
- 技能レベルを上げておけば、給料や待遇の向上が期待できる
今までどのような現場を、どのような期間、どのような資格を保有して経験してきたのかを相手方に理解してもらいやすくなるので、評価のための情報を容易に提供できるというメリットがあります。
早めにCCUSカードを作って、現場経験を蓄積しておけば、より良い条件で転職したり、待遇改善につなげられる可能性が高まるでしょう。
事業者(建設業者)のメリット
CCUSカードは事業者(建設業者)にもメリットがあります。
まず、元請けや上位の下請けにとってのメリットは次のとおりです。
- 現場管理の効率化や施工体制台帳作成などが簡素化できる。
- 下請けの建設技能者のレベルが分かるので安心して仕事を任せられる。
また、建設技能者を雇う建設業者にとってのメリットは次のとおりです。
- CCUSにより自社の建設技能者のレベルや社会保険加入状況等が明確になるので、元請け等の取引先からの信用を得やすい。
- 技能者のレベルと連動する専門工事企業の施工能力等の見える化により建設業者の実力をアピールできる。
- 勤怠管理をしやすくなる。
建設キャリアアップシステム(CCUS)を利用するには?
建設キャリアアップシステム(CCUS)を利用するには、事業者登録と、技能者登録という2種類の登録が必要になります。
- 事業者登録
- 技能者登録
事業者登録とは?
建設業者が建設業許可の業種など、自社の情報について登録するものです。建設業者が初めて建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入をする場合には、まず事業者登録をすることになります。
法人、個人事業主、一人親方、の全ての方が事業者登録を行う必要があります。
技能者登録とは?
技能者登録は、個々の建設技能者(職人)が自分が保有する資格や経歴などを登録するものです。技能者登録をする際に、所属する事業者を選択して同時に登録します。
所属事業所が変わった場合には事業所の変更登録を行い、現在の最新の情報に更新をします。
建設工事現場で建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用するには?
建設工事現場で建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用するには、元請けの建設会社が現場の登録を行い、CCUSカードリーダー等を設置する必要があります。
元請け、下請け、建設技能者における活用の流れは下記のようになります。
元請けの建設会社
発注者と請負契約を締結したら、その建設工事現場の工事概要や契約情報などをCCUSのシステムに現場登録します。
下請けの建設会社
元請けと下請け契約を締結したら、その建設工事現場に入る自社の建設技能者(職人)について登録を行います。
建設技能者(職人)が現場に入る際
自分のCCUSカードを現場に設置されたCCUSカードリーダーにかざして読み取らせます。
建設キャリアアップシステム(CCUS)は義務なのか?
建設キャリアアップシステム(CCUS)を利用することは、法律上の義務ではありません。
ただ、公共事業を中心に、建設キャリアアップシステム(CCUS)を利用することが発注の前提となっている工事が増えています。
公共事業の現場での仕事が多い場合は、登録の必要性が高まっていると言えます。
また、現在では、技能実習制度(育成就労制度)や特定技能制度により、建設業の現場でも、外国人労働者の受け入れが広がっています。
こうした制度により外国人労働者を受け入れる場合は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録が義務化されています。
建設業キャリアアップシステム導入までの流れ
初めて建設キャリアアップシステム(CCUS)を導入される方が、弊所へご依頼を頂いた場合に、どの様な流れで手続が進んでいくのかを下記にてご案内いたします。
まずは弊所までお電話、メール、ライン等でご連絡ください。

概要をお伺いしてお見積もりを提示します。こちらの内容でよろしければご依頼となります。
その後、手続を進めていく上で必要な情報をヒアリングシートを通じて伺います。
CCUS登録に必要な書類をご案内しますので、それらをご提供いただきます。
法人、個人事業主、一人親方の方については事業者登録を行います。
登録申請から完了までの期間は、建設業キャリアアップシステム側の混雑状況により異なりますが、2週間から2ヶ月ほどの間で完了となります。
建設技能者となる方の技能者登録を行います。
登録申請から完了までは1週間から1ヶ月ほど見ておけばよろしいかと思います。こちらも、建設業キャリアアップシステム側の混雑状況により完了時期は異なります。
ここまでで、目的の事業者登録と、技能者登録手続が完了します。
技能者の事業者が変わった場合や、その他の登録情報が変更となった場合は変更登録を行います。
メールアドレスやパスワードが不明な場合は、まずはこちらの再設定手続から行います。
まとめ
建設キャリアアップシステム(CCUS)は始まったばかりということで、どういう制度か分からない方も多いと思います。
どういう制度なのか分からない場合は、建設業許可やCCUSに詳しい行政書士等の専門家にご相談ください。
当事務所は、静岡県の行政書士と社会保険労務士の事務所でありますので、CCUSでも求められる社会保険、雇用保険、国民年金、国民健康保険等の知見を有する、建設業者をサポートする専門家です。
これから新たにCCUSの導入を検討されている法人、個人事業主、一人親方、建設技能者の方は当事務所までご相談ください。





