建設業許可の専任技術者変更届の提出方法
建設業許可の専任技術者変更届の概要
建設業の許可を受けた後、該当するいくつかの事項が変更となった場合には、定められた提出先へ変更の届出を出すことが求められています。
この変更届の概要につきましては下記ページに記載されてますのでご参照ください。
本ページでは、専任技術者を変更する事となった場合に、どのように届け出ればよいのかについてご説明します。
このような方へ向けて書かれた記事です。
- 専任技術者が変わる事になったが、いつ、どこへ、どのように出したらよいかお探しの方
- 異動により専任技術者が他の営業所へ移ったが場合どうしたらよいかお探しの方
- 専任技術者が退職や、定年となった場合はどうしたらよいのかお困りの方
建設業許可の専任技術者の変更届はなぜ出す必要があるのか?
専任技術者の変更届が求められる理由
専任技術者の変更届をなぜ提出する必要があるのか?についての理由をご説明します。
それは建設業法という法律で変更届を出すことを義務付けられているから。という事が直接的な答えとなります。
専任技術者の変更届の提出を求める条文
(変更等の届出)
第十一条5 許可に係る建設業者は、第七条第一号若しくは第二号に掲げる基準を満たさなくなつたとき、又は第八条第一号及び第七号から第十四号までのいずれかに該当するに至つたときは、国土交通省令の定めるところにより、二週間以内に、その旨を書面で国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
建設業法第十一条より抜粋
変更等の届出を求める上記条文では、第七条第二号の基準を満たさなくなったら届け出なければならないとされていますね。この第七条第二号が専任技術者を指すものとなります。
専任技術者を指す条文
(許可の基準)
建設業法第七条より抜粋
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
二 その営業所ごとに、次のいずれかに該当する者で専任のものを置く者であること。
以下省略
この条文を日常的な言葉に置き換えて説明すると、下記のようになります。
専任技術者の変更届必要性を段階別にご説明
許可申請の時点で専任技術者を置く事は必須でした。
建設業許可後も継続して常勤で専任技術者がいる必要があります。
建設業許可時の方で無くても、該当業種の専任技術者要件を満たす方であれば交代ができます。
指定部署へ専任技術者の変更届提出までを終えると交代完了です。
これまでどおりの業種で建設業許可が継続できます。
※補足説明
上記でいう建設業許可とは、専任技術者に対応する建設業許可業種の事を指します。
いかがでしたでしょうか。建設業許可にとって専任技術者の位置づけは重く、不在のまま継続することは建設業許可制度上不可能な事がお分かりいただけたかと思います。このような理由で専任技術者の変更届は必要なものとなります。
専任技術者無しでは建設業許可制度は成り立たないため、変更届提出は必須
どのような人が後任の専任技術者となれるのか
前任者と後任者の専任技術者の関連性
専任技術者は、許可を受けたい業種に対する専任の技術者として置かれるため、後任者は前任者が受けていた許可業種に対して専任技術者として認められる必要があります。
専任技術者を証明する方法
専任技術者を証明する方法としては下記3つパターンがあります。
- 指定学科+実務経験
- 10年以上の実務経験
- 国家資格
例えば、管工事なら管工事、内装なら内装、電気工事なら電気工事、、、
前任者が置かれていた許可業種の専任技術者となれる方でなければ、変更届を出しても認められないことに注意が必要です。
後任の専任技術者がいない場合
上記のように、前任者の専任技術者としての許可業種に対して後任の専任技術者がいない場合、その業種についての許可は継続されない事となります。お困りごとの声としては下記のようなことがあります。
お困りごとの声
- 専任技術者が退職してしまい、後任がいない
- 専任技術者が定年を迎えるが後任がいない
- 異動させようとしたら専任技術者の後任がいなかった
お困りごとへの対策
許可業種に対する専任技術者1名だけで建設事業運営をするよりも、後任となり得る方を設ける取組みをされることが万が一の時のお困りを回避する方法になるのかと思われます。
現実的な方法としては、対象の国家資格等を取得する支援を会社として行っていく事かと思います。これにより後任の専任技術者が生まれ、また同時に社員の仕事の幅が広がりモチベーションアップするなど、様々な利点が期待できます。
当事務所は人の専門家である社会保険労務士でもありますため、建設事業の組織や人材に対してのご相談もお気軽にお声がけください。
建設業許可の専任技術者変更届の届出期限と提出先
専任技術者の変更届の届出期限
変更の事実が発生したときから14日以内に指定の提出先へ届け出る事とされています。
専任技術者の変更届の提出先
この提出先とは、静岡県知事業者の届出書類の提出先は、主たる営業所の所在地を管轄する土木事務所総務課建設業班です。郵送不可なことに注意が必要です。
建設業許可の専任技術者変更届の必要書類
専任技術者変更届の必要書類の概要
建設業許可申請時に専任技術者に関する資料を用意された事と思います。おおまかには、その時と同様の資料を新たな専任技術者候補の方について用意し、専任技術者が交代することを変更届として提出していく流れになります。
どのような書類なのかを具体的に下記で見ていきましょう。
専任技術者変更届の必要書類の内容
専任技術者の変更には下記書類を用意することが求められています。
- 変更届出書(様式第22号の2)
- 専任技術者一覧表(別紙四)
- 専任技術者証明書(様式第8号)
- 該当する場合は以下書類
- 資格証明書等
- 実務経験証明書(様式第9号)
- 指導監督的実務経験証明書(様式第10号)
一見すると必要書類の枚数は少なそうに見えますね。しかし、もしも④の資格証明書以外で証明することとなった場合には、実務経験を証明するための書類も同時に用意していく必要がありますので状況により複雑さがだいぶ変わる事となります。
専任技術者の変更届のサンプル
① 変更届出書(様式第22号の2)
② 専任技術者一覧表(別紙四)
③ 専任技術者証明書(様式第8号)
④関連 実務経験証明書(様式第9号)
④関連 指導監督的実務経験(様式第10号)
どのような書類が求められているのかイメージができましたでしょうか。
実際に専任技術者の変更届としてご使用される場合、これらのひな形は下記の静岡県公式ページにあります。
建設業許可の専任技術者の変更届のまとめ
いかがでしたでしょうか。専任技術者が変更となった場合には、まず後任の担当候補者を探し、前任の許可業種に対応する専任技術者となれるのかを確認し、変更届を作成して、指定の提出先へ届出る。という流れでした。
それほど頻繁にある事でもありませんので覚えている事も容易ではないかもしれません。しかし、許可業種の建設業許可を継続する上では必ず行わなければいけないことですし、万が一にも許可が取消となった場合には受注できる金額に制限が設けられてしまいますので、建設事業の運営に大きなダメージとなるでしょう。
このような専任技術者の変更届も建設事業のお仕事の一環でありますため、忘れないように手続きをするようにしていきましょう。
当事務所は建設業者様の社外のサポーターとして建設業許可に関連する手続きを承っております。もしもご自身で行う事に不安や手間を感じられるようでしたら、当事務所までご相談ください。